1610年頃、現在の佐賀県有田町で日本で初めての磁器が生産され、これが有田焼の始まりです。
当時は船での輸送が主流だったため、多くの有田焼が伊万里港から運ばれ「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。
伊万里焼は、磁器生産初期の「初期伊万里」、江戸時代に焼成された骨董的価値のある「古伊万里」、明治以降の「伊万里焼」に大きくわけられますが、中でも古伊万里はヨーロッパ向けに輸出されていたこともあり、今でも「オールドイマリ」として愛され、海外にも多くのコレクターがいます。
伊万里焼はその人気の高さから、贋作やレプリカも数多く存在します。
真贋判断の難しい伊万里焼のご売却は、経験豊富な鑑定士がいる古美術はじめ堂へご相談ください。

伊万里焼は大きく「初期伊万里」「古伊万里」「伊万里」にわけられますが、さらに古伊万里以降は「柿右衛門様式」「鍋島様式（鍋島焼）」「古伊万里様式」などに細かく分類されます。

初期伊万里は染付と呼ばれる青一色の絵付けが主流でしたが粗雑な部分も多く、柿右衛門様式などの人気に押され、次第に生産されなくなっていきました。しかし近年、素朴な美しさが注目されるようになり、希少性も相まってその価値が再評価されています。

古伊万里以降は、染付と赤絵や金彩を組み合わせた豪華な金襴手などの「古伊万里様式」、藩の御用窯として寸分の狂いもない形と絵付けの作品だけが残された「鍋島様式」、濁手と呼ばれる乳白色の素地に絵画的な美しい絵付けが特徴の「柿右衛門様式」の3つの様式が主流となります。
柿右衛門様式の濁手は原料の調合の難しさなどから一時期途絶えていましたが、12代・13代酒井田柿右衛門の親子によって復元されました。
また、江戸時代の鍋島様式は主に将軍家や大名家への贈答品だったため、一般には出回っておらず現存数の少ない希少品となっています。